大会のみどころ



2010年度のラウンドワンカップは松永裕美のための大会であったといっても過言ではない。予選から準決勝までの18ゲームトータルのアベレージが238(2位は吉田真由美の221)という圧倒的な強さでラウンドロビンに進出。ラウンドロビンの12ゲームでも1度も首位の座を譲ることなく、1位通過で決勝ステップラダーに進出した。そして迎えた優勝決定戦の相手は、2010年のポイントランキング1位吉田を倒し、初タイトルへ向けて弾みをつけたダークホース内藤陽子。勢いのある内藤が有利に見えたが、松永は中盤6連続ストライクで内藤を突き放す。9フレでイージーミスをし、内藤に詰め寄られるが、10ピン差で松永が勝利。圧倒的な強さを見せつけ、5人目のラウンドワンカップ女王の座に輝いた。
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今年の女子開幕戦となった2月の関西オープン。またも松永はラウンドロビンで圧倒的な強さを見せつける。ラウンドロビン中1度も首位を譲らず、1位で決勝ステップラダーに進出。決勝では若手佐藤まさみとの対決であったが、全く寄せ付けず247ピン VS 202ピンで佐藤を下し、今季開幕戦を優勝で飾った。続く宮崎オープンで2位、千葉オープンで3位、BIGBOX東大和カップで12位と常に上位に食い込む活躍を見せる。そして7月に開催された六甲クィーンズでは昨年のポイントランキング1位吉田真由美を破り、今期2勝目を達成。今の松永の実力は、日本女子プロ界のトップと言っても過言ではないだろう。
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アマチュア時代から実力を高く評され、満を持して2004年にプロ入りし、一時産休でトーナメントから離れるも、2007年以降安定した成績を残してきた松永が、さらにワンステップ高いレベルで活躍するきっかけとなったのが、2009年の千葉女子オープンの初勝利ではないだろうか。基本に忠実な安定した投球が武器であった松永に優勝という経験が精神的な柱となり、それまではなかなか勝ちきれないトーナメントが続いたが、初優勝以降は毎年勝ち星を重ね、現在に至っている。もともと備わっていた高い技術に、強い精神力が加わり、松永は日本最高のプレイヤーの座を勝ち取ろうとしている。


2007年9月堺中央環状店で開催されたラウンドワンカップレディース2007に初参戦し、圧倒的なパワーとテクニックを見せつけたのがウエンディ・マックファーソンである。男子プロ並みのボールスピードとフック回転で予選・準決勝の計2回パーフェクトを達成。ラウンドロビン2位で通過し、ステップラダーへ。2位決定戦では当時未勝利ながらも実力は高く評価されていた松永裕美とも対戦。スプリットを2度出した松永に対し、8フレーム目から怒涛の5連続ストライクで一気に突き放し、215ピン VS 187ピンで松永を破り、そのまま優勝決定戦でも相手を寄せ付けず、JPBA女子トーナメント初参戦にもかかわらずいきなりの優勝。圧倒的な強さを見せつけ、2010年シーズンまで4年間で通算8勝を挙げている。
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2010年ウエンディは5つのトーナメントに参戦し、そのうち3回優勝を達成している。そのうち一つはTV決勝でパーフェクトゲームを達成したジャパンオープン。そして残り2つは7月に開催された千葉女子オープンとBIGBOX東大和カップである。そして、2011年7月ウエンディはディフェンディングチャンピオンとして、千葉オープンとBIGBOX東大和カップに参戦。千葉オープンでは通算14勝を誇る準永久シードの近藤文美と優勝決定戦を戦い、スプリットを出してしまった近藤に対し、堅実にノーミスを続けたウエンディが勝利。見事2年連続優勝を達成。続くBIGBOX東大和では優勝決定戦で中堅の実力者中谷優子と対決。6フレでスプリットを出すも、ストライクがなかなか出ない中谷を最終的には突き放し、こちらも2年連続で優勝。こうして2大会連続連覇達成という驚異の記録を打ち立てた。
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ウエンディの代名詞といえば、驚異のボールスピードとフックの回転力である。彼女の投球した後のピンがはじける音は明らかに他の選手とは違い、ダイナミックで心地よい炸裂音がフロアにこだまする。そんなパワー重視のイメージが強いウエンディであるが、決してパワーのみに頼るのではなく、正確にレーンのコンディションを読み、的確にストライクへのラインを見極め投球するテクニックを見落としてはいけない。豪快さと繊細さ両方を持ち合わせているからこそ、女子トップクラスの実力を持ち、数々の勝負に勝ち続けることができるのである。


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昨年優勝こそなかったが、各トーナメントで安定した結果を残し、松永やウエンディ等の強豪を抑え、見事2010年度ポイントランキング1位に輝いた吉田真由美。昨年同様今シーズンもこれまで安定した結果を出し、ポイントランキング3位(2011年8月現在)にランクインしている。
産休から復帰後ブランクを感じさせない活躍を見せつけてきた吉田であるが、復帰後は未勝利が続いていた。今年7月開催の六甲クィーンズでは優勝まであと1歩というところまで迫った。しかし、松永との優勝決定戦10フレーム目でまさかのイージーミスにより、軍配は松永に上がった。そんな吉田であったが、月のMKチャリティカップで、新鋭長谷川真実を退け、見事優勝を飾り、自身の目標であった「ママになって優勝」を達成。吉田はプロの中でも大きいとは言えない身体であるが、地道な努力を積み重ね、トッププレイヤーに上り詰めた。そんな努力家の吉田には当然ファンも多い。見事復活優勝を遂げた吉田が第3勢力筆頭となり、今大会を盛り上げてくれるのは間違いないであろう。

2005年にプロデビューを果たした吉川が2010年ポイントランキング3位に入り、大ブレイクを果たした。 その序章ともいうべき大会が2010年4月に開催された宮崎プロアマオープンである。決勝戦で惜しくもベテラン愛甲に敗れたものの、準優勝に輝いた。そしてその後も上位にランクインを続け10月のフィランスロピー女子トーナメントで見事初優勝を飾る。そして12月に開催されたプロボウリング界最高峰のトーナメント全日本選手権で前年度の優勝者松永裕美を優勝決定戦で破り2勝目を挙げた。
吉川を見る上でぜひ注目していただきたいのが、吉川のアイデンティティーともいうべき「バックスウィング」である。男子プロ並みに高く上げ、右手をひねりながら振り下ろすダイナミックなフォームは見るものに爽快感を与える。真価が問われる今年の吉川の戦い方から目を離すことができない。

2008年・2009年の2年連続でポイントランキング1位に輝き、圧倒的強さを誇った姫路麗。昨年もMKチャリティカップで優勝し、結果を残すも、ポイントランキングは吉田・松永・吉川に次ぐ4位となった。昨年の成績はトッププロとしては申し分のない結果を残している。しかし、それまでの2年間の活躍があまりにも印象に残っているため、昨年の結果にファンは必ずしも満足していない。今年も現時点でランキング10位(2011年8月現在)にランクインし、後半戦の活躍次第では、ランキングトップはもちろん、賞金・アベレージも含めた三冠女王も狙うことは十分可能である。
そのためには国内最高賞金がかかった今大会は非常に重要な戦いとなる。「圧倒的に強い姫路麗」を1年ぶりに我々に見せつけてくれることができるかどうかは、すべてこの大会にかかっているといっても過言ではないであろう。


昨年までで通算12勝を挙げているベテラン加藤八千代が今年4月南国宮崎で復活をとげ、自身5年ぶりの優勝(通算13勝目)を飾った。
昨年は肩の故障に悩まされ、不本意なシーズンを過ごした加藤。その間若手の台頭が著しく、宮崎オープンでも準決勝に残ったのは加藤を除いて若手が占めていた。しかし、その勢いある松永・吉川を破り、見事復活優勝を遂げた。加藤の特徴は、ベテランには珍しく低い体勢から放たれる強烈なフックボールである。大きく弧を描きながらポケットに吸い込まれていくボールは、心地よい炸裂音とともにピンをなぎ倒す。ベテランの中でも異彩を放つ加藤八千代にぜひ注目していただきたい。

1995年からポイントランキング制が始まって2005年までの11年連続でポイントランキングベスト3にランクインし、そのうち7回はランキング1位という驚異的な記録をもつ時本美津子。さらに通算31勝は女子タイトルホルダーの歴代5位という記録である。近年は優勝こそ逃しているが、ベテランらしい円熟したテクニックを武器に若手の台頭著しい女子プロボウリング界で未だにランキング上位の座を譲らない。時本の投球で特に注目していただきたいのが、安定感のある投球フォームである。全ての投球において、投球のリズムとフォームが崩れることがない。長いキャリアに裏打ちされた最高のタイミングとフォームを実践できる数少ないベテランの妙技をぜひご覧いただきたい。



